オーストラリアのマリーバであった悲劇

オーストラリアの南東に位置するケアンズより
車で1時間ほど山の奥へ走らせたところにあるマリーバ(Mareeba)という村でおよそ2年間過ごした経験がある。

それは予期せぬ2年間の滞在ではあったが、今では私の人生で最も大切な2年間であったと言えるほど、沢山の学びと経験を得ている。

今でも忘れないバスが到着し、村の風景を初めて見た瞬間。
ボロボロの家や裸足で歩く村人を見てドキドキワクワクした。
「これはいい経験になる!」とポジティブ思考が発動した。

到着してすぐ案内された家は木造の、今にも崩れそうな味のありすぎる家。
床は斜めっているし、キッチンやトイレ、シャワールームは外。
部屋の天井は穴が空いているし、壁には蟻さんの行進があちこちに見える。
家の中は一歩踏み出すたび、ギシギシと音が鳴り床が落ちないか心配だ。

住むか悩んだが、パース(parth)からの長旅であった事もあり、ここに住む事に決めた。
しかしこれがしまった決断となる。

住み始めて1ヶ月が経過しようとする頃体に異常が出始めた。
太ももから始まり、全身に虫刺されのような大きめの出来物が出始めた。
痒くて気持ち悪い。

すぐに医者に行った。
すると「疥癬(かいせん)」と言われた。
医者曰く顕微鏡で私の皮膚を覗くと、小さな虫のような生き物がたくさん動いているとのこと。
要するに、あの家で用意されていたマットレスにダニが住んでいて、そのダニが私の体に寄生したのだ。

少しグロい写真になるが、以下実際の私の腕と脚を写した写真をあげている。
その他、腹部にも同じ症状があった。

疥癬とは、ヒゼンダニという名のダニが皮膚の最外層である角質層に寄生すこと。
多数のダニの寄生が認められる角化型疥癬と、少数寄生であるが激しい痒みを伴う普通の疥癬があるそう。

医者に出してもらった飲み薬と塗り薬を使用し2週間で治った。
赤みのあった皮膚のところはその後しばらく黒く色素沈着していたが、1ヶ月もすると綺麗な皮膚に戻った。

大事にならず本当に良かったが、あの家はすぐに出た。
大家に出る理由を話した際は、「マッドレスは綺麗だ」と言い張って少し怒っていたが、こんな経験は1度で充分なので、さっさとお別れをした。

マリーバでの出来事は語り尽くせないほどある。
また次の記事で!

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